ガンダーラ アシタ仙人 

 
柱はギリシャ伝来のコリントウス様式で、アシタ仙人の身体表現もヘレ二スティックである。上部の人物は侍女であろうか。

 仏伝で、アシタ仙人が登場するのは釈迦誕生後に再度ある。それは「占相」の場面である。生後間もない王子の「相」を見ての占いである。王子を見たアシタ仙人は、涙を流して嘆き悲しんだ。
「この方は、悟りを開いて仏陀となられるが、もはや老齢の私は、その教えを聞くことができない。」

 本品が後者の「占相」場面である可能性もあるが、「占相」ではアシタ仙人が王子を両手に抱く形の表現となるので、「占夢」場面とした方がよいだろう。

 

アシタ仙人・「占夢」の一部  
緑泥片岩
ガンダーラ  2〜3世紀



 仏伝において、キリスト教の受胎告知にあたるのが、「托胎霊夢」である。国王シュッドーダナの妃マーヤ夫人が、自分の右脇から白い像が体内に入ったという夢を見る。国王はその夢占いをバラモン僧に依頼した。それがアシタ仙人である。

 アシタ仙人は、釈迦の懐妊とその将来を予言する。
「生まれる王子は、王位を継がれるなら帝王となり、出家されたら仏陀となる。」

 アシタ仙人と向かい合って、王シュッドーダナとマーヤ夫人が位置するが、本品では欠損している。

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