ガンダーラ 王侯頭部

 本品は、ターバンを巻いたインドの王侯貴族の像であるが、人物名称は特定できない。この小像の後頭部には背面の岩塊から切り離された痕跡があるので、もとはレリーフの一部であったはずだ。

 仏伝において王侯が登場する場面は多いので、本品が何の場面のレリーフなのかは分からない。

 また、王侯像は、「供養者」=「寄進者」の肖像として作成されることも多い。供養者像であった可能性もある。

 上には類似品の画像も載せている。これは、悟りを開いた仏陀に対して、「帝釈天」と「梵天」が説法を請うた場面「梵天勧請」一部分である。この画像(帝釈天像)は、本品にそっくりである。このように、本品は王侯ではなく、仏教に取り入れられたインドの神である可能性も高い。



王侯頭部 
緑泥片岩
出土地不明  2〜3世紀



ターバンを巻いたインド王侯の頭部である。人物の特定はできない。鼻とあごの欠けを補修してある

■参考画像 類似品
「梵天勧請」図の一部の帝釈天像
Gandharan ArtT(栗田功)より

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