エリザベス1世


チューダー朝 エリザベス1世(1533-1603 在位 :1558-1603年) 
ペニー銀貨 13mm 0.48g ロンドン塔ミント 1566−1567年製

■強国スペイン
 当時の世界最強国はスペインであった。世界中に植民地を持ち、太陽の沈まぬ帝国と呼ばれていた。特にアメリカ大陸からの銀の産出、豊かなネーデルラントからの税収により、莫大な収入があった。海軍は最強の「無敵艦隊」であった。

■弱小国イングランド
 それに比べると、当時のイングランドは弱小国である。まともな海軍すら持っていない。 
 この弱小国のイングランドを強国へと押し上げたのがエリザベス1世である。

■イングランド国教会
 エリザベス1世は、父のヘンリー8世同様、イングランド国教会を国教とした。そもそもヘンリー8世の国教会設立は、ローマ・カトリック教皇の支配から独立するための政治的なものであった。決してプロテスタントになったわけではない。国教会は、教義的にはカトリックとさほど変わらない。特徴は政教一致で、国教会の首長が国王である。


無敵艦隊を破ったドレーク ■テロ支援国家? から強国へ
 エリザベス1世は、大国スペインに対してはゲリラ攻撃を行った。イングランドの海賊に、私掠特許状を与えた。スペイン船への海賊行為を国家として認めるというとんでもない許可状である。今の言葉でいうなら、「テロ支援国家」「ならず者国家」である。

 スペイン国王フェリペ2世は、エリザベス1世に海賊取り締まりを要請するが、効果はない。海賊の黒幕が女王なのだから当然だ。やがて、スペイン側もそれに気づき、戦争となった。世界最強の無敵艦隊と対決することとなった。史上有名なアルマダ海戦である。
 
 海賊達をまとめ上げた大親分がドレークである。ドレークを指揮官とした海賊上がりのにわか仕立ての海軍であったが、足の速い小型船で射程の長い大砲を用いる戦術、また火のついた船を敵船団に送り込むような奇襲で、あの無敵艦隊を破った。
 
 これ以降、スペインの繁栄は下降線を辿り、イングランドの躍進が始まる。
■80年戦争(オランダ独立戦争)銅販画(所蔵品)
 ネーデルラントはスペイン・ハプスブルグ領で、毛織物業と海運業がさかんであった。このネーデルラントに羊毛を輸出していたのがイングランドである。「ネーデルラントの繁栄=イングランドの利益」という関係であった。このネーデルラントの新教徒(カルヴァン派)たちがスペインに反乱を起こした。スペインとは敵対関係にあるイングランド(エリザベス1世)は、ネーデルラントを支援する。
 銅販画の上に「BRIELE」(ブリーレ)という文字が見える。これは都市の名で、1572年4月1日の「ブリーレ攻略」を描いている。

 イングランド(エリザベス1世)の方針は一貫して、反スペインであった。このネーデルラントにも支援を続け、北部のオランダが独立を果たした。
 この後、イギリスとオランダが、スペインに代わって世界の海を支配していくことになる。


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