アルカイックスマイル・アーモンドアイ   

アッティカ アテナイ テトラドラクマ銀貨   BC420〜404年 
17.1g 23.3mm  ふくろう頭に大きなテストカットあり
表:兜をかぶったアテナ神 裏:ふくろう 文字銘:ΑΘΕ

■ペロポネソス戦争

 上の銀貨は有名なアテナイ(アテネ)の銀貨である。ペロポネソス戦争(BC431〜404年)後期頃のコインである。ペロポネソス戦争とは、アテナイを中心とするデロス同盟と、スパルタを中心とするペロポネソス同盟の戦いである。ペルシャ戦争(492−449BC)では大いに覇権を広げた都市国家アテナイも、BC404年降伏した。これ以降、アテナイは衰退していく。

■アルカイックスマイル

 ギリシャ美術は時代によって、アルカイック期・クラシック期・ヘレニズム期の3つに分類される。アルカイック期の人物(神)像に特徴的なのが、唇端を少し上げた微笑み・あわゆるアルカイックスマイルである。また、アルカイック期は目がアーモンド形をしている。
 上のコインはやや時代は降るが、まだアルカイック期の特徴を残している。

■北魏〜東魏の青州仏

 時代は古代ギリシャからほぼ1000年後、北魏〜東魏時代の中国東部の青州では、アルカイックスマイルの石仏が作られた(下の画像)。1996年に発見された龍興寺石仏群が有名である。日本の飛鳥仏との類似点が多い。
→解説
「仏教美術・青州仏」へ
 日本の飛鳥仏も、唇の両端が持ち上がったアルカイックスマイルである。日本では仰月形の唇という。アーモンドアイは、杏仁形(ぎょうにんけい)の眼という。
 
 このように人物(神・仏)像の表現の東西での共通点がある。ギリシャ文化がはるばる極東の日本の飛鳥まで伝わったのであろうか。他の例では、ダ・ビンチのモナリザの微笑み、これもまたアルカイックスマイルである。アルカイックスマイルという微笑みの表現方法は、ギリシャから一元的に発生して伝わったと考えるより、各地各時代で多元的に創作されたのであろう。

参考文献:Greak coins and their values 1 : SEAR


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