ギリシャ神話の東進  ヘラクレスが金剛力士に  

■英雄ヘラクレス 
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスは、棍棒を持ち、自身が倒したライオンの皮を被る姿で表現される。 
棍棒を持つヘラクレス
ライオンの皮は左手に
タソス島 148−90BC頃
ライオンの頭皮を被るヘラクレス
アレクサンドロス3世発行
 
 バビロン 336−323BC  

■アレクサンドロスの東征により、中央アジア〜北西インドまで、ギリシャ文化が広がる。その後もセレウコス朝・バクトリア王国・インドグリーク朝と、ギリシャ系国家が続きヘレニズム文化が育成される。やがて、インドの仏教とギリシャ文化が混交する。1〜2世紀頃、ガンダーラで仏像が生まれ、ギリシャ神話のモチーフの多くも仏像とともに彫造される。

■ヘラクレスもまた、仏教に取り入れられた。インドの神とも混交しながら、仏法の守護者としての役割を持つようになる。ヘラクレスは、「執金剛神」となり、棍棒は「金剛杵」と変化する。お寺の「仁王さん」である「金剛力士」は「執金剛神」が2体に分かれたものである。
執金剛神像  
東大寺・三月堂
金剛力士 阿形像
東大寺南大門

■では、ヘラクレスのライオンの皮はどこへ行った? 「執金剛神」や「四天王」の像には、肩に獅子の頭をデザインした甲冑が見られる。これがライオン頭皮のなごり?
東大寺 戒壇院
四天王 持国天

甲冑の肩の部分に獅子の頭部をデザインした「獅噛」が見える。東大寺・戒壇院の四天王の甲冑には全てこの獅噛が見られる。これもヘラクレスのライオンが変化したものだろうか?

■ちなみに、金剛力士像の先祖のヘラクレスは、さらに遡れるようだ。ヘラクレスのルーツはメソポタミアの「ギルガメッシュ叙事詩」の英雄「ギルガメッシュ」であるらしい。




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