プトレマイオス朝 プトレマイオス1世

プトレマイオス朝エジプト プトレマイオス2世 (285-246BC)
銀貨テトラドラクマ  27.0mm   13.71g
表:ディアデム(はちまき)をつけたプトレマイオス1世
裏:サンダーボルト(雷)の上に立つ鷲 ※ゼウスの象徴

■プトレマイオス2世発行のプトレマイオス1世肖像コイン
 このコインの肖像はプトレマイオス1世だが、発行者はプトレマイオス2世である。プトレマイオス朝では、代々の王が創始者プトレマイオス1世の肖像をコインに刻んでいる。

■プトレマイオス1世
 プトレマイオスは、アレクサンドロス3世(大王)とは非常に親しい関係で、信任が厚かった。大王の死後は有力者の一人として、後継者争いに加わった。帝国のエジプト総督であったので、ここをベースに勢力争いを繰り広げた。305BCには、エジプトにプトレマイオス朝を開き、王となる。ギリシャの伝統ではコイン肖像は神に限っていた。アレクサンドロス大王でさえ、自分自身の肖像ではなく、ヘラクレス神に自分を摸してのスタイルをとっている。
 しかし、エジプトではファラオは現人神である。エジプトを治める王となるからには、神になるのである。こうして、ギリシャの伝統からは逸脱するが、コインにも自身の肖像を刻ませるようになったのである。
 
■BC300年頃のプトレマイオス朝エジプト

■特徴あるプトレマイオス1世の顔
本コイン
プトレマイオス1世像
ルーブル美術館蔵
プトレマイオス1世像
大英博物館蔵
ファラオスタイルの
プトレマイオス1世像
 コインの肖像は、かなり特異な顔である。コインにこの顔があったら、すぐにプトレマイオス1世だと判定できる。それだけ特徴ある顔立ちである。しゃくれたアゴ、出っ張った眉。この肖像から、ピンときたのが「末端肥大症」、またの名を「巨人症」と言う。その特徴ではないか。往年のプロレスラー「ジャイアント馬場」や、最近ではK1・韓国の巨人「チェ・ホンマン」がその例である。
 

 プトレマイオス1世は巨人症だったのか? と調べてみたが、そんな資料は一切なかった。彫刻類で調べたらルーブルと大英博物館にあった。コイン肖像ほどの特異性はない。やはり、巨人症説は成り立たないようだ。新説発表とはならなかった。

■ギリシャ人家系として続く
 プトレマイオス1世は、生粋のマケドニア人、つまりはギリシャ人である。プトレマイオス朝では、過去のエジプトの王家に倣い、家系の純粋さを守るために近親婚が度々あったようである。エジプトを治めた王であるが、生粋のギリシャ人の家系である。
 王朝末期のクレオパトラ7世(絶世の美女で、カエサルやアントニウスとの親密な関係)は、エジプト風に浅黒い肌に描かれることがあるが、あれは間違いである。彼女の容姿は、ギリシャ人そのものなのである。



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