10世紀  カラハン朝以前の世にも奇妙な穴銭


■プロト・カラハン朝 アラビア文字穴銭
世にも奇妙なアラビア文字の入った中国タイプ穴銭である。
2.6g 23mm
時代は、プロト・カラハン、つまり原カラハンの10世紀頃。
 カラハン朝の成立以前のカルルク族が発行したものかもしれない。
シルクロードのセミレチエ地方での出土。
 和同開珎と同様に、上から時計回りに読むと
<malik>, <aram>, <yinal>, <cig ?>
となるらしい。マリクは王という意味で、エフタルやソグド地方など中央アジアで長く使われていた言葉であるらしい。他の3文字の意味は不明。
■文明の交わり
 中国・唐の開元通宝から以下のように影響を受けていったと思われる。
■唐の開元通宝は621年からの発行である。ソグドでは、唐の影響を受けたソグド文字の穴銭が鋳造される。セミレチエ地方では、8世紀頃西突厥の支配下においてさかんに作られた。このセミレチエ地方がイスラム化したのは10世紀頃。こうして、それまでの伝統の中国タイプの穴銭の上に、イスラムのアラビア文字が記された。アラビア文字を開元通宝のように4ヵ所に配置するのは、他に例を見ない。
テュルクのイスラム化

アラビア文字流入
8世紀〜10世紀 プロト・カラハン
アラビア文字銭 
10世紀頃
西突厥 セミレチエ地方
ソグド銭 8世紀頃
唐 開元通宝
621年〜

■900年後 清朝の新彊にて
中国タイプの穴銭で、全面にアラビア文字の記されたものといえば、他にもある。左の穴銭は時代がはるかに降る。1864年清朝末期の新彊にて、イスラム教徒が反乱を起こした。その際の独自発行のアラビア文の穴銭である。回文銭(アラビア文字穴銭)といえば、普通はこの貨幣のことである。

 
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