コンモドゥス 


コンモドゥス帝(治世177−192年) 
デナリウス銀貨  183年発行
 2.61g 17.1mm
表銘:COMMODVS ANTON AVG PIVS
裏銘:TR P VIII IMP VI COSIIIIP P

■ローマ史上最悪の皇帝の1人
 五賢帝の時代、代々の皇帝は世襲ではない。優秀なる者を自分の養子にしての皇位継承であった。トラヤヌスやハドリアヌスなど、偉大なる皇帝達には実子がいなかったからではあるが、それでも自分の血縁者から選ばない。血縁より資質を優先させている。約100年間この皇位継承法が続いた。五賢帝の最後、マルクス・アウレリウス帝が皇位を実子相続させたのが、コンモドゥスである。これが大間違い。ローマ史上トップクラスの悪帝であった。


 哲人帝と尊敬された父マルクス・アウレリウスとは対照的に、残虐と誇大妄想の皇帝であった。
■映画「グラディエーター」
 剣闘士のことをグラディエーターという。この映画の主人公(ラッセル・クロウ演)はもとはローマ軍の将軍であるが、謀略により剣闘士になってしまう。敵役の残虐非道な皇帝はコンモドゥスである。グラディエーターとして生きる主人公を、コンモドゥスは卑劣な手であやめようとする。
・・・というストーリーである。映画では皇帝自身が剣闘士となって主人公と戦う場面がある。映画はフィクションだが、実在のコンモドゥスもまた、剣闘士に扮した。

■剣闘士になった皇帝
 コンモドゥスはヘラクレスにあこがれ、皇帝でありながら剣闘士としてコロッセオに立った。剣闘士は人気のあるスターではあるが、身分的には低く最も卑しい階級とされた。皇帝がその剣闘士になるとは考えられないことである。
 剣闘士の勝負は命がけ・生きるか死ぬかの世界であるが、皇帝がまさか真剣勝負の世界には入るまい。メインイベンターとして活躍し続けるのだが、どのようなからくりがあったのだろうか。また、彼は自分の名前にちなんで月の呼び方を変えさせることもした。国家の行く末を考えることなく、自分の妄想の世界にのみ生きた皇帝である。

■最期
 侍従の者に暗殺された。愛妾マルキアが毒を盛ったが、睡眠中に苦しみだし吐いてしまった。すぐさま屈強な男が首を絞めた。



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