エラガバルス


エラガバルス(治世218−222年) 
デナリウス銀貨  218年発行 2.59g 19mm
表銘:IMP CAES MAVR ANTONINVS ANG
裏銘:PONTIF MAX TR P

■シリアから
 エラガバルスはシリア人で、シリアの太陽神に仕える司祭であった。この司祭家はセプティミウス・セウェルス帝の妻ユリア・ドムナの実家である。ユリア・ドムナの妹マエサの孫がエラガバルスである。祖母と母さらに母の愛人の工作で、わずか14才で皇帝に即位した。


■コイン肖像に髭がない
 ハドリアヌス帝以降、皇帝肖像には髭がつきものであるが、エラガバルスには髭がない。これは彼がまだ若年であることを意味する。エラガバルスの皇帝在位は14才〜18才の時であった。

■太陽神信仰
 ローマに入る際には、シリアから太陽神崇拝の聖石「黒い石」を持ち込んだ。この石を本尊として神殿を建設し、太陽神信仰の儀式を行った。ローマはもとより多神教で、新入りの神があろうと構わぬのだが、ローマの最高神ユピテル(ジュピター)の上に立つとなると、誰しもが不快に思う。エラガバルス(というより彼の母や祖母)のねらいは、シリアの太陽神という一神教を確立することであった。


■性的倒錯
 この少年皇帝がローマ皇帝中奇人ナンバーワンと言われるのは、その性的倒錯である。「3年間に3人の女と結婚し、他に数多くの女と交わった」とされている一方、自身が女性になりたがった。いわゆる「おかま」である。密かな趣味とするならまだしも、女装をして街に繰り出し、売春婦となって男と交わったというからあきれる。さらには、筋骨隆々の奴隷の「男」と結婚した。エラガバルスのこの手のエピソードには事欠かない。政治的な実績はゼロなのだが・・・・。
■最期
 彼は支持者を失っていく。支持者の多い従兄弟のアレクシアヌスを殺そうとしたが、兵士は従わない。便所に逃げ込んだがそこで殺された。首を切られ裸にされてローマの街を引きずり回され、遺体はテヴェレ川に投げ込まれた。


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