戦国鏡 蟠螭文鏡
 戦国期独特の薄造りの銅鏡である。紐を通すための中央部のふくらみ「鈕」は、小さく三本の筋がある。古い時代の銅鏡の特徴である。銅鏡の産地の中心は南部の「楚」であった。本品も「楚」産の可能性が高い。

 文様は、蟠螭文(ばんちもん)で、龍を図案化した文様である。主文様のバックの地紋は、細かな渦状雲雷文である。下画像の
で囲んだ部分が龍の頭部である。見ての通り、龍の角が折れ曲がり菱形になっている。この左下にも逆向きの菱形が見える。これがもう1匹の龍の角で、これら2匹の龍の身体は絡み合いながら、右側へと続く。器面全体には、3対・計6匹の龍が描かれている。
 この文様での菱形部分はごく小さいが、龍と龍の間に大きく菱形を描いたデザインもある。そのようなものは、特に「蟠螭菱文」とも言われている。
 蟠螭文や蟠螭菱文の銅鏡は、時代が降るにつれて地紋(雲雷文等)が曖昧になる。秦~漢初に入ると、蟠螭文の線が二重線や三重線で描かれるようになる。


蟠螭文鏡
戦国後期  BC3世紀頃

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